読書日記

読書感想文苦手を克服するために書く

七回死んだ男 西澤保彦

決して読書量は多くない私だが、評価の高い、ループもの、ミステリー、と揃えば、とりあえず読んでおきたいものである。

登場人物も多すぎず、人間関係も複雑ではなく、とても読みやすい。会社の後継者を巡る争い!ギスギス!性格悪い!まともな人間が少ねえ…といえど、胸糞悪いほどでもなく、どことなく明るい雰囲気である。ループものといえば、絶望の未来を変えなければという切迫感があるものだが、この物語では、読者も主人公もまあいざとなったら死ななかった1回目をなぞればイイジャン的な楽観があるため、コミカルですらある。それが解決した後に、実は「死ななかった1回目」ではなかったのだ、と判明するとは!さらにそれだけではなく、主人公はループの途中で実は一回死んでいたというぞぞっとするオチも良いスパイスである。程よい難易度の話で、気持ちよく、そうだったのかー!と思わせてくれた。この作者さんの他の本も読もう。